大阪の社会保険労務士、村田社会保険労務士事務所による労務管理情報

適格退職年金の移行状況と厚生労働省の取組み

適格退職年金の移行状況

適格退職年金(適年)の廃止期限が平成24年3月末に迫っています。平成14年3月末から同20年3月末にかけての6年間での適年の受託件数・加入者数の推移は次の通りとなっています。
<受託件数>
・平成14年3月:73,582件
・平成20年3月:32,826件
(マイナス40,756件)
<加入者数>
・平成14年3月:917万人
・平成20年3月:443万人
(マイナス474万人)

 

厚生労働省の取組み

上記の通り、適年から他の企業年金への移行は確実に進んではいるものの、廃止期限までにすべての適年が移行するのは難しい状況だとも言われています。
厚生労働省は、これまで、事業主への呼びかけ、説明会・セミナーの実施、円滑な移行の推進に関する連絡会議の設置(金融庁・財務省・農林水産省・経済産業省・中小企業庁等)、移行先としての企業年金(確定給付企業年金・確定拠出年金)の整備・法改正などに取り組んできましたが、すべてを移行させるためにはさらなる施策が必要だと言われていました。

 

「移行支援本部」の活動内容

そこで同省は、適年から他の企業年金への移行をさらに進めるため、今年1月に「適格退職年金の企業年金への移行支援本部」を設立しました。移行支援本部では、活動内容を次のように定めています。同省では、受託機関、経済団体、企業年金連合会、各企業年金との連携を深めつつ、移行を促進させたいと考えているようです。
(1)適年から企業年金への移行と企業年金のメリットの広報(例:ホームページ・マニュアル・広報キットの活用、シンポジウム・研修会・相談会の開催、コンサルティングの実施)
(2)受皿としての企業年金側の課題の整理(例:厚生年金基金・確定給付企業年金等の規制緩和、総合型受皿設定とあっせん)